参考図書

全般

書籍名概要
コンピュータグラフィックス [改訂新版] 公益財団法人CG-ARTS(画像情報教育振興協会) から出されている、CGの技術を総合的に説明している本です。教科書のように、体系的に各種理論や技術が説明されているのが特徴で、CGを本格的に学んでみたい、と思われた方は、まずこの本でCGの世界を大まかに俯瞰してみると良いでしょう。
[digital] ライティング & レンダリング 第3版 Pixarの方が書かれた、ライティングとレンダリングについての本です。何度か版が重ねられており、この第3版でようやく日本語でも「ハイダイナミックレンジ」「リニアワークフロー」「物理ベースレンダリング」といった近年のトピックスについての内容を読むことができます。間違って初版や第2版を買わないように注意しましょう。英語が得意な方はもちろん原著がおすすめです。
CG Magic:レンダリング 主にレンダリング技術について書かれた日本語の本です。2007年に出版された今となっては古い本ですが、レンダリング方程式をはじめとする、CG基礎をなす理論について、その成り立ちの経緯までを含めて丁寧に解説されており、本質的には今でも有用です。BRDFやグローバルイルミネーション、イメージベースドライティングなどの基礎を学ぶことができます。さすがに近年の手法については載っていないので、他の文献や論文も併読してください。
ゲーム制作者になるための3Dグラフィックス技術 増補改訂版 最新ゲーム機で採用されている最新のリアルタイムレンダリング技術についての、分かりやすい解説書です。著者の方が大変分かりやすい例えや図を用いて説明してくれるので、最新のグラフィックス技法について、その概要を知ることができます。ただし、分かりやすさ重視の説明であるため、「なんとなくわかった」気にはなれますが、それだけでは実装はできません。より正確な理解を望まれるのであれば、文中で言及されている大元の論文などを当たってください。
3Dゲームファンのためのグラフィックス講座 「[ゲーム制作者になるための3Dグラフィックス技術 増補改訂版」と同じ著者が書かれた、同様のコンセプトの書籍です。こちらは、モバイルゲーム機などの話題も多いです。
ゲーム制作者のための物理シミュレーション 剛体編 物理学にも様々ありますが、物が落ちたり、ぶつかって崩れる、といった「力学」のうち、変形しない(と見なせる)物体である「剛体」の力学シミュレーションに絞った書籍です。最初は並進運動、それが理解できてから、回転も考慮、というように、段階を踏んで学んでいけます。著者の方が物理エンジンの会社におられたこともあり、理論だけでなくプログラム実装面(衝突検出処理、拘束条件の解き方など)についても詳しく解説されているのはありがたいところです。しかし、2007年以降、どんどん採用が進んでいるPBD(Position Based Dynamics、位置をベースにした物理シミュレーション)系の手法については、出版時期の兼ね合いで、含まれていません。この本をベースに、そうしたさらに新しい潮流も学んで行かれると良いでしょう。

ゲームエンジン

書籍名概要
ゲームエンジン・アーキテクチャ第3版 レンダリングに限らず、ゲームエンジンを構成する要素の大半について網羅している本です。PS4世代の開発の話題や並列プログラミングなど、版を重ねるたびに最新のトピックがカバーされるようになっています。

物理ベースマテリアル

サイト名概要
THE COMPREHENSIVE PBR GUIDE 物理ベースのテクスチャ制作ソリューション「Substance Painter」「Substance Designer」の開発元allegorithmic社が公開する物理ベースレンダリング/マテリアルについての入門ガイドです。物理ベースマテリアルの基礎知識はデザイナーの方もある程度理解しておくことが望ましいです。有志の方による翻訳版もあります(1 , 2 

入門

サイト名概要
[ゲーム&モダンJavaScript文法で2倍楽しい]グラフィックスプログラミング入門——リアルタイムに動く画面を描く。プログラマー直伝の基本 WebGL開発支援サイトwgld.org  や WebGLの商業応用などを高頻度に取り上げているWebGL総本山 などを運営されているh_doxasさんによるグラフィックス入門書籍です。WebGLをあえて使わず、2Dグラフィックスに限定して、面白いゲームを作れるようになるまで読者を導きます。難しい概念や数学を極力使わないため、グラフィックスプログラミングを始めたいけれど、他の書籍やサイトの説明では挫折してしまった、という人におすすめの良書です。